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外国人枠が増えたので解説分析してみた

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プロ野球開幕を目前に控えたなかで、外国人枠に関するビックニュースが飛び込んできました。

hochi.news

 

 これまで4人までに制限されていた外国人枠を、今シーズンに限り5人に拡大することが決定したようです。これにより外国人選手をより多く起用できるようになる一方でベンチワークも複雑化し、より細かい状況判断が求められることになりそうです。

 

この5人ルール、よく読んでいくと結構複雑で難しいです。

せっかくなのでこのブログで解説してみました。

加えてセリーグの外国人選手がどのような形で起用されることになるのかも合わせて分析してみました。

 

 

 

パターンA:投手5人・野手0人 or 投手0人・野手5人

この編成はできません。

投手野手どちらかのみで構成することができないのは 従来のルール通りですね。

 

パターンB:投手3人・野手2人 or 投手2人・野手3人

シーズン中に投手野手の内訳が自由に変更できます。

 

パターンC: 投手4人・野手1人 or 投手1人・野手4人

今回の追加ルールで最も複雑な部分です。

運用は可能ですが、いくつか制約が設けられています。 

今回は分かりやすいように投手4人、野手1人のケースで考えていきましょう。

そもそもセリーグで外国人野手4人抱えてるチームいないですからね。

 

投手、野手どちらかを4人登録した場合、5人制をキープしたまま選手の内訳を変更することは出来ません。

× 投手4人・野手1人 → 投手3人・野手2人

× 投手4人・野手1人 → 投手2人・野手3人

× 投手4人・野手1人 → 投手1人・野手4人

 

つまり、投手4,野手1で編成した場合、新たに2軍から野手を1人昇格させたい場合は1軍にいるひとりの投手を必然的に降格させる必要があります。

 

どうしても野手を2人1軍に置いておきたい、となった場合は外国人枠は4名に減少します。投手2となる代わりに野手2となるわけです。

◯ 投手4人・野手1人 → 投手2人・野手2人

◯ 投手4人・野手1人 → 投手1人・野手3人

 

外国人枠が4名に減少した場合、再び5枠に戻すこともできますが

その場合の内訳は5枠で運用していたときと同じ構成にしなくてはいけません。

◯ (投手4人・野手1人) → 投手2人・野手2人 → 投手4人・野手1人

× (投手4人・野手1人) → 投手2人・野手2人 → 投手1人・野手4人

× (投手4人・野手1人) → 投手2人・野手2人 → 投手2人・野手3人

× (投手4人・野手1人) → 投手2人・野手2人 → 投手3人・野手2人

 

つまり、投手4人構成を1度でも実施したチームが、「やっぱ野手2人置いておきたいわー」となった場合は先述の「投手2人・野手2人」か「投手1人・野手3人」という構成にする必要があります。

 

ここが最大のミソですかね。力のある投手を抱えることができますが、その分制約が多くチーム全体の運用力が問われるでしょう。

 

ちなみに、1軍登録できる外国人が5人に増えただけで、ベンチ入りできる外国人は4人までのままです。また、試合に出られる外国人も3人までです。

 

 

ここからは新ルールが採用されることで、セ・リーグの外国人運用はどのようになっていくのか見ていきましょう。

なお6月18日現在で育成契約の選手は分析の対象外にしています。

 

【巨人】

野手の揃い具合を考えると投手4人プランも

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メルセデスデラロサ、ビエイラ、パーラの4人は確定でしょう。

大物助っ人サンチェスが状態を上げてローテ入りするってことになった場合、従来のルールでしたら1人入れ替えれないといけませんでしたが、5人制となったことで投手4・野手1のパターン運用も可能です。ただそうした場合、パーラとモタの併用ができなくなるというリスクもあります。


【横浜DeNA

パットン・エスコバー中継ぎローテーションが組める

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おそらくこのルールで1番恩恵を受けるのは横浜でしょう。野手3人を1軍に置いておくのは確定なので投手2・野手3のプランになると思われます。

Aプラン:ピープルズ・エスコバー

Bプラン:ピープルズ・パットン

Cプラン:エスコバー・パットン

 

AプランBプランはピープルズが先発する日は中継ぎ外国人はオフ。それ以外の日はブルペン待機という使い方ができます。ピープルズ先発日は結果的に休養日という形になるので負担も軽くなるでしょう。

Cプランは直近の登板や調子を見極めてリリーフのうち片方をベンチ入りさせるという運用ができます。先発が足りなくなってリリーフ総動員という日は野手の1人をベンチ外にしてエスコバー、パットンを両方ともベンチ入りさせることもできます。


阪神

リーグ最多の8人 3-2もしくは2-3のフル活用ができるか

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投手はガンケルこそやや不安要素が残りますが、呂以外は十分戦力として期待できる能力がありますので投手4野手1という運用も出来なくはないです。

ただ阪神は得点力不足に悩まされていますので、攻撃力を落とす構成はしないでしょう。投手3・野手2構成になると思われます。

抱えている選手の数は多いので、横浜同様柔軟なプランが構成できるのは強みです。みんなしっかりと活躍してくれたらの話ですが……

 

【広島】

助っ人野手で攻撃力上げつつ、リリーフ陣の底上げ

 

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外国人枠が拡大したことでピレラ、メヒアの両名が1軍入りするプランが運用しやすくなりました。ただリリーフ候補はDJ・ジョンソンとスコットとフランスアの3名がいるので、どのように使っていくかはベンチの戦略が問われる部分です。

 

【中日】

ロメロ復帰後は投手3人プランか

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現在ロメロが肩痛で離脱中、シエラも開幕2軍となりました。そうなると必然と残りの4人で構成されることになります。ロメロ復帰後に誰と入れ替えるかという問題が発生しないことはプラスでしょう。


東京ヤクルト

リーグ唯一の「野手1」パターンCの編成起用も

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セリーグで唯一野手がひとりだけです。となると、投手4・野手1の変更不可プランを採用する可能性もありますが、現状クックはまともに実践に入っていない状態で、果たしてこの変更プランをやるメリットがどれくらいあるかは疑問です。 

(ハフが今年もいれば……)

 

 

【投手4・野手1プランは採用されるのか】

今回の新ルールで1番の目玉といえる投手4・野手1or投手1・野手4の変更不可プラン。そもそもこれが使われるケースはあるのでしょうか。

今のところ可能性としては考えられるが、やはりそこに踏み切るチームは出てこないのでは、というのが僕の意見です。内訳の変更不可は突然の故障などに対応しづらく、難しい運用となりそうです。

また外国人枠拡大を想定して編成したチームもないわけで、そこまでめいっぱい枠を活用できないチームもあるでしょう。

 

もしあり得るとしたらシーズン最終盤。

今年はCSがないので優勝争いがもつれた際、最後のブーストとして投手4人体制を敷いてくる可能性は大いにあります。先発要員とは別にロングリリーフ、第2先発ができる投手を用意して、短期決戦のように勝ちを拾っていくケースが見られるかもしれません。

 

ただ、今シーズンはコロナ禍の影響でシーズン中の外国人補強がどうなるか分かりません。現状ではほぼ不可能でしょう。状況が好転したとしても、各チームの補強起源までに間に合うか……昨年のデラロサのようなリリーフの補強は難しそうです。

 

ただ、1つだけ方法があります。国内の独立リーグです。BCリーグ四国アイランドリーグには外国人選手も在籍しています。彼らを補強するケースは考えられます。その場合、抱える外国人選手が増えるので変更不可パターンを採用することもあるかもしれません。

なかでも富山には広島と西武に在籍したヒースがいます。外国人枠の拡大はNPB復帰を目指す彼にとっては追い風になることでしょう。

 

hochi.news

 

 

ところでこのルール、パワプロのペナントとかで再現するってことになったらめちゃくちゃ大変そう笑