それでも僕は書き続ける!!

1996年生まれの阪神ファン。プロ野球や日々の感情を文章に表す楽しみを感じながら気ままに書きます

反撃ムードを呼び込んだ一平ちゃん【9/5 対巨人戦▲】

一平ちゃんが帰ってきた。

東海大学九州キャンパスから阪神タイガースに入団した小川一平のことだ。
西純矢、井上広大、及川雅貴、甲子園で印象的な活躍を残した高校生を多数獲得した2019年のドラフトで最後に指名された投手だ。

昨年はオープン戦からアピールを続け、新人選手で唯一の開幕一軍入り。ペナントレース2戦目の対ジャイアンツ戦で出番が巡ってきた。
オープン戦はほぼ完璧なピッチングを続けていた小川だったが、2アウトしか取れずに5失点。その後も安定した投球は披露できず、インパクトは残せなかった。

 

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2年目の小川は開幕を2軍で迎えた。ファームでは先発も経験するなどして腕を磨いた。チームは首位をひた走るけど、自分はその場にいない。それでも甲子園で輝ける日を信じて、腕を振り続けた。

オリンピック中断中のエキシビションマッチでは先発して5回3安打無失点。結果は残した。そして8月22日。小川が一軍に登録された。

 

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ファーム戦に登板する小川一平

 

カード3連勝がかかったこの日の試合だが、5回までに6点を取られる劣勢。でも「諦めない野球」が矢野監督のモットーだ。
6回に相手のミスや原口文仁、M.ロハスJrのタイムリーなどで4点を返す。甲子園の雰囲気が変わり始めた。何点差でも諦める選手は誰ひとりいない。みんなかっこいいぜ。

反撃ムードを絶やしたくない7回の守り。
出てきたのは小川だった。

ジャイアンツ戦、7回の守り。2点ビハインド。
当時は東京ドームだったけど、1軍デビューした試合と同じ状況だ。

先頭の岡本和真。去年は追撃のタイムリーを打たれた。
でもドームのマウンドで顔色を失っていたあの時とは違う。自信と気合いに満ちている。
追い込んでからの4球目。内角にシュートを投げ込んでセンターフライに打ち取った。小川の表情は変わらない。

5番の中島宏之も外角のスライダーでピッチャーゴロにしとめた。
続く丸佳浩。君なら大丈夫だ。信じて投げろ―
4球目に投じた渾身のストレート。丸のバットが空を切った。

よっしゃー!
グラブを叩きながら、小川が小さく吠えた。

小川の投球に背中を押された野手陣。7回裏に2点を取って遂に同点に追いついた!
同点タイムリー、頼りになるぜ糸井嘉男

甲子園のボルテージが最高潮に達した同点劇。それを呼び込んだのは間違いなく7回を完璧に抑えた小川のピッチングだった。2軍で投げている姿を見ているだけに、嬉しくてたまらない。

 

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現在リーグ最下位の防御率と苦戦しているタイガースのリリーフ陣。だがもう何も心配はいらない。
一平ちゃんが頼もしくなって帰ってきた。