DeNA風張蓮の登場曲にはスワローズOBの魂が宿っている…かもしれない
昨シーズン、スワローズからベイスターズに移籍してきた風張蓮投手。
開幕は2軍スタートとなりましたが、今日から1軍に合流。3番手でマウンドに上がりました。ビハインドの場面でしたが、風張投手は2イニングを無失点に抑えます。
ですが今日話題になったのは投球内容ではなく、登場曲。
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第4楽章をアレンジしたハードロックは、たしかに横浜スタジアムのさわやかな雰囲気とは合わないかもしれません。ドヴォルザークですからね。僕は現地に居合わせなかったのでどんな雰囲気だったのかは分かりませんでしたが、ネット上ではそこそこざわついていました。
風張投手の登場曲は「The Wizard’s Last Rhymes』。
「ラプソディー・オブ・ファイア」というイタリアのメタルバンドの楽曲です。実はこの曲、全部で10分半あります。もしかしたら今使われている登場曲の中で1番長いかもしれません。
風張投手は「The Wizard’s Last Rhymes」を移籍前のスワローズでも使っていました。
初めて聞いたときはかなり驚いたのですが、何度も聞いていると風張投手が普段より5割増しで強そうに見えてきたので、登場曲って大事だなって思ったのをよく覚えています。
実は、この曲を登場曲に選んでいたスワローズの投手が他にもいました。
増渕竜義さんです。2006年のドラフト1位で入団すると先発・中継ぎの両方で活躍されました。
そして、増渕さんより前にこの曲を登場曲にしていた投手がもうひとりいます。
現1軍投手コーチの石井弘寿さんです。左腕ながらMAX155キロを計測する速球が武器の豪腕投手でした。
石井さんと増渕さんは共にセットアッパーとしてスワローズのブルペンを支えたという共通点があります。風張投手もそれにあやかったのかもしれません。
風張投手自身も、過去に先輩たちが使っていたことを知っているみたいでした。
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背番号が継承されるのはよくある話ですが、登場曲が後輩に受け継がれていくって、あんまりない話ですよね。
風張投手は2018年にシーズン53登板を記録したこともありますが、実はこの年に使っていた登場曲は今回のとは別のもの。「The Wizard’s Last Rhymes」に変えてからは成績が悪化し、戦力外通告を受けてしまいました。
本人的には縁起の悪い曲になってしまったかなと思っていましたが、風張投手は新天地でも「The Wizard’s Last Rhymes」を登場曲に選びました。
たしかにハマスタの雰囲気に合わないかもしれませんが、彼の選んだ曲には同じスワローズで戦った偉大な先輩たちの思いもこめられている……そんな風に思ってしまうのです。
僕はスワローズファンではないですが、彼の登場曲と選んだ背景が個人的に気に入っていたので、新天地でも同じ曲が聞けて嬉しく思いました。
ベイスターズファンの人たちに受け入れられる日が来ますように。
今季初スタメンで一発回答!! 殊勲打の陽川尚将
日替わりヒーローという言葉がある。
確固たる証拠がある訳ではないが、日替わりヒーローが出てくるチームはやっぱり強い気がしている。
そんな風に考えるのは、僕の知るジャイアンツがそういうチームだからかもしれない。
去年まではほとんど顔を見なかった選手がタイガースの投手を打ち崩し、野手をきりきり舞いにさせる。そんな光景を何度も見てきた。3連戦で全員違う人にやられることも珍しくなかった。
今日はトレードで新加入した廣岡大志が決勝タイムリーを打ったらしい。強いチームの選手は活躍したいという思いで溢れている、だからこそ日々新しいヒーローが誕生する、そんな気がする。
ゴールデンルーキー・佐藤輝明がライトのレギュラーに起用されるなか、陽川尚将は出番に飢えていた。昨シーズンはコロナウィルス感染で一時離脱しながらもキャリアハイの8本塁打、シーズン終盤には糸井嘉男に代わってスタメン起用される試合も増えた。
今年は糸井らとのレギュラー争いも大いに期待されたが、佐藤輝がすごすぎた。オープン戦で過去にないインパクトを残した佐藤輝がライトのレギュラーとして起用されることになった。
だが陽川だって黙っていない。開幕2戦目の9回、守備から入った陽川に打席が回ってくる。スワローズ・長谷川宙輝の直球を高々と打ち上げると、そのままライトスタンドにボールが落ちた。今季初打席で初本塁打。限られた出番で自身の持ち味を出した。
シーズン開幕から9試合目、スタメンの名前から佐藤輝の名前が消えた。
代わりに入ったのが陽川だった。本塁打を放ったスワローズ戦のみに限らず、ここまで着実に結果を残してきた陽川に巡ってきた絶好の機会だ。
試合は投手戦。打者の懐に投げられる直球が邪魔をして、ドラゴンズの先発・小笠原慎之介を打ち崩せない。陽川も第1、第2打席ともに三振を喫していた。
6回の攻撃、チャンスで陽川に打席が巡ってきた。小笠原の前に簡単に追い込まれてしまう。だが今年の陽川はこれで終わらない。カーブをしぶとくレフト前に運び、セカンドランナーのJ・マルテが生還した。いいぞ!
去年から感じていたことなのだが、勝負強さに年々磨きがかかっている。今季初スタメンというチャンスを確実にものにした陽川の殊勲打で、チームはカード勝ち越しを決めた。
ところで、陽川は人前でしゃべるのが苦手らしい。
春季キャンプ中に撮影された動画で悩みを吐露していた。
大勢の人の前で自分の考えていることを話すのは緊張するし、勇気もいる。劇的に上手になる特効薬のようなものもない。だが経験を重ねれば必ず上手になる。
だったらお立ち台に上がればいいじゃない!言葉を選びつつ話している陽川も好きだけど、お立ち台慣れして楽しそうに話してくれる陽川も見てみたいな。
今シーズン初ホームゲームで勝ち越しとらほ~
途中まで書いたブログが操作ミスで消えて悲しいとびた
今季初サヨナラ!山本泰寛はお尻が大きい
僕には3つ下の妹がいる。一緒に野球観戦に行っても僕とは全然違うところを見ていて、思わぬ発見をしては教えてくれる。
そんな妹だが、その選手が活躍できるかどうか、「あるパーツ」を見れば一瞬で分かるらしい。
それは、お尻。
活躍している選手は決まってお尻がすごいらしい。
巨人の菅野智之は言うこと無いパーフェクトなお尻だそうだ。新加入した選手は決まってお尻をチェックするのが定番。しばらく1軍で見なかった選手がお尻を立派にして帰ってくるのがたまらないそうだ。
ちなみにDeNA・京山将弥はプロ初勝利を挙げた2018年と今を比べて、ものすごくお尻が成長したので見込みアリらしい。
開幕戦の帰り、妹が勝利の興奮冷めやらぬ様子で話しかけてきた。
「山本のお尻が大きかった!」
巨人からトレードで加入した山本泰寛のお尻が想像より大きかったらしい。
この日の山本はベンチスタートで、8回裏からサードの守備に就いているので試合に出た時間は短い。この間にお尻チェックをしていたとは驚いた。ちなみに僕は加治屋蓮に夢中で全く気づいていなかった。
開幕2戦目も見に行くことにしていたので、他の内野手と山本のお尻を見比べてみることにした。レフトの外野席からお尻ウォッチング。
この日8番・遊撃でスタメン出場した山本は移籍後初安打を含むヒット2本を記録。
妹曰く「お尻が良い選手は活躍する」。まだ始まって2試合だが、この人が活躍する姿をもっと見たいと思った。
▲横からのアングル。お尻もそうだが太もものスゴさも見逃せない
▲移籍後初スタメンの試合で2安打を記録
ドラゴンズとの2回戦。昨日は痛恨のリリーフ失敗で逆転負け、今日は先発・柳裕也から2塁すら踏ませてもらえない展開。
京セラドーム大阪とはいえ、3カード目で迎えた本拠地での試合。開始2試合ですでに重苦しい空気が漂っているのが、中継の映像でも分かった。
0-0で迎えた9回裏。先発延長戦がない今年だから、この回で絶対に決めないといけない。スタメン組で点が取れないなら、ベンチスタート組の出番だ。
代打・原口文仁。
開幕3連戦では唯一出番がなかった男が粘って、粘って、四球を勝ち取った。
代打・北條史也。
失敗できない場面でのバントはこの男に任せるに限る。さあサヨナラの走者が2塁に進んだ。
守備から途中出場の山本。
ドラゴンズ・福敬登が投げた初球のスライダーを振り抜いた。頼む、落ちてくれ!!
打球はセンター・大島洋平が追う先の向こうに抜けていった。
去年は巨人で1試合も出られなかった男の周りに、歓喜の輪ができていた。新しい仲間を歓迎するかのようにウォーターシャワーが浴びせられる。(なぜかマルテは自分自身に水をかけていた)
山本「タイガースの一員になれた気がして嬉しいです!」
阪神ファンは単純だから、そんなこと言われたら嬉しくて一瞬で好きになっちゃうよ。
こちらこそ今日決めてくれてありがとう。タイガースに来てくれてありがとう。
タイガースはエラーが多い?守備が安定しない?二遊間が弱い?
何の心配もいらない。常勝軍団を知る男が、このチームに新しい風を吹かしてくれるから。
0対0で迎えた9回裏2死一、二塁、途中出場の山本選手が中越えのサヨナラ二塁打‼️‼️‼️✨✨✨巨人から移籍1年目、早くも大仕事を決めました‼️‼️‼️#hanshin #tigers #阪神タイガース  #山本泰寛 #中日 #京セラドーム大阪 #サヨナラ pic.twitter.com/unfO0rswXA
— 極トラ・プレミアム(日刊スポーツ) (@NikkanNaruohama) 2021年4月3日
歓喜の瞬間です🔥☀️🔥☀️#hanshin #tigers #阪神タイガース #山本泰寛 #中日 #京セラドーム大阪 #サヨナラ pic.twitter.com/MQwcPUE8Cf
— 極トラ・プレミアム(日刊スポーツ) (@NikkanNaruohama) 2021年4月3日
本拠地初勝利&初サヨナラゲーム!
(今日だけはジャイアンツに感謝してやるぜ!!)
74番目の男・石井大智
プロ初登板のピッチャーの結果が伴わなかったり痛打を浴びたりすると、「ホロ苦デビュー」と書かれることがある。
だけどタイガース・石井大智の開幕戦にかける思いを想像したら、「ホロ苦デビュー」なんて言葉で片付けることはできない。
昨年のドラフト会議、支配下登録選手の中で最後に名前を呼ばれたのが石井だった。
独立リーグも経験した74番目の男。「指名順イコール評価の高さ」ではないが、その注目度は決して高かったとは言えない。
石井が神宮球場のブルペンで1球1球力強く投げ込み、来るべき出番に備えている。
大きく息を吐くのは寒いからか、それとも緊張からか。
大山悠輔のタイムリーで、1度は消えた藤浪晋太郎の勝ち星が戻った。
後は自慢のリリーフ陣でリードを守るだけだ。
7回、石井に出番が回ってきた。ブルペンを見つめていたファンからの熱い拍手に見送られながらマウンドに向かう。夢見たプロ野球の舞台。
そのデビュー戦が1点差。
しかも打順は山田哲人→村上宗隆→内川聖一。
さらに藤浪の復活の白星がかかっている。
いかん、見ている僕まで緊張してきた。
独立リーグを経て入団した石井と、球界のスーパースター山田が相対する。
プロ初登板、初対戦。石井は山田から空振り三振を奪った。全球ストレートだった。
手と、足を、めいっぱいに使って石井がボールを投げ込む。
ランナーを2塁に置くも、2アウトまできた。
6番・塩見泰隆に投げた直球は、右中間に弾き返された。
石井が「ああっ……」って表情をしながらカバーリングに入る。藤浪の白星も消えた。バッターランナーは3塁へ。勝ち星の死守が一転、黒星の危機だ。
石井はここで降板を告げられた。
自宅に戻ったあと、録画した試合の映像を見た。
ベンチで試合を見つめる石井の鼻が赤くなっていた。目も腫れていた。
悔しさと無念さが、その表情からひしひしと伝わってきた。
結果は伴わなかったデビュー戦はたしかに「ホロ苦」と言えるのかもしれない。
でもあの山田から全球ストレートで空振り三振を奪った。悪い内容だったとは決して思えない。ああいうピッチングをしてくれると信じていたから、しびれる場面で送り出した。
大丈夫。まだ始まったばかり。
あなたの前に69番を付けていた島本浩也も、ここ神宮で手痛い失点を喫してから強くなった。
次はやり返そうぜ!
2021年 初とらほ~
【インタビュー全文】2021年開幕は藤浪晋太郎投手に決定!
びっくりするニュースが飛び込んできました。
2021年の阪神タイガースは開幕投手を藤浪晋太郎投手に決めたと発表しました。プロ9年目、もちろん初の大役です。
昨シーズンは本当に大変な年でした。新型コロナウィルス感染が発覚し、さらには故障もあって実戦復帰は大幅にずれ込み。それでも中継ぎに回ってからは160キロを連発し、僕も相当に驚きました。このままリリーフとして活路を見出すのかと思いきゃ、最終盤には先発に再復帰。勝ち星には恵まれませんでしたが、この時の投球は圧巻で先発投手としての可能性を再認識させてくれました。
YouTubeのタイガース公式チャンネルに藤浪投手のインタビューが公開されていたので、発言内容を文字に起こしてみました。
―初の開幕投手、藤浪投手にはいつ伝えられたのでしょうか
藤浪「おとといの残留練習中に監督から言われました。」
―その時の詳しい状況を教えていただけますか
藤浪「練習していて上がったら、そういう連絡をいただいた形です」
―藤浪投手の中で驚きはありましたか
藤浪「驚きしかなかったですむしろ。開幕ということが自分の中で全くと言っていいほど頭になかったので、ただただ驚いたっていうのが一番です」
―告げられた時は矢野監督からどんな言葉があったんですか
藤浪「矢野さんは遠征に行っていたのでその時は特になく、帰ってから直接会って伝えたいという話だったので、その時は特になかったです」
―矢野監督が帰ってこられてどんな言葉がありましたか
藤浪「今日お話させていただいたんですけど、『開幕でいくから』と。『大山がキャプテンをやったり、近本が選手会長をやったりと、お前たちの世代で強いタイガースを引っ張っていってほしい』そういう形で話しました」
―開幕投手というのを聞いてどんな気持ちが芽生えましたか
藤浪「ビックリっていうのがありますし今でも驚いていて、ちょっと驚いているっていうのが自分の中にあって、どういう気持ちでってのがが考えきれてないというか、追いついていない状況です。真っ白まではいかないですけど、落ち着かない感じですね」
―藤浪投手にとって開幕投手は特別なものがありますか
藤浪「自分自身はそんなに考えたことがなかったですし、自分が成績を出していたときも能見さんだったりメッセンジャーだったりいたので、あまり開幕投手について考えたことがなかったですけど、やはりチームの顔ですし責任ももちろんあると思っています」
―開幕投手ということは今シーズン先発の軸としての活躍が期待されると思うのですが
藤浪「期待しているって話も頂いたので結果を示したいですし、せっかく選んでいただいたので頑張りたいと思います」
―キャンプからここまでご自身の手応えはいかかですか
糸井「サイコー!!」
藤浪「(笑) ここまではいい感じで来ているので、自分の課題ややりたいことができているし、まだオープン戦もありますし、自分のやるべきことをしっかりやって過ごしていきたいと思います」
―今、糸井選手も通りましたが(開幕投手について)周りから声をかけられたことはありましたか
藤浪「『開幕やな』『頑張れよ』『おめでとう』と言っていただく事が多いです」
―ワインドアップだったり、投球フォームの改良だったりここまでは順調に来ていますか
藤浪「そうですね、今のところはフォームだったり技術的なところは順調に来ているんじゃないかと思っています」
―開幕のスワローズ戦ですけど藤浪投手はどんなピッチングを見せたいですか
藤浪「チームに勢いがつくような投球がしたいですし、打たれる打たれないはあると思いますし、苦しい場面はあると思うんですけど、なんとかこう粘っていい形でチームを勝利につなげたいと思っています」
―藤浪投手のピッチングを楽しみにしているファンの方にメッセージをいただけますでしょうか
藤浪「せっかく開幕に選んでいただいたので、楽しみにしてくださっている方も多いと思いますし、しっかりと結果を出せるように頑張りたいと思います」
『大山がキャプテンをやったり、近本が選手会長をやったりと、お前たちの世代で強いタイガースを引っ張っていってほしい』
矢野監督めっちゃ良いこと言いますね……高卒、大卒、社会人と入ったタイミングは違いますが、この3人は同い年なんですね。
インタビューからも分かる通り、藤浪投手本人も驚いているようです。それもそうでしょう。昨季の阪神は西投手と秋山投手が2桁勝利を達成、西投手と青柳投手が規定投球回数に達していて、一般論で言うならこの3人が候補になるはず。僕もそうだと思っていました。てかよっぽどのことがない限り西投手かなと。
藤浪投手を選んだ矢野監督やチームの思いを想像してみることにしました。
大事な開幕だからこそ、彼を信じて託したのだと思います。ここ2年間で挙げた勝ち星はわずかに1つ。でもそれがなんだというのでしょうか?
僕自身、藤浪には「さほど重要じゃないローテの順番でひっそり投げて、それで気づいたらローテ完走していた」くらいのつもりで頑張ってくれたらと思っていました。彼にとって注目や重圧が重荷になるんじゃないか、って。でも矢野監督やチームはそう考えているわけではなかったようです。
スタートダッシュを成功させるために、優勝するために、藤浪投手の力が必要だ
きっとこんな風に考えていたのではないでしょうか。
僕も考えを改めます。藤浪投手はチームの中心になりうる存在ですし、そういう役割を与えることで彼自信もチームも良くなっていく。
タイガースがペナントの頂点を手にした時、その中心に藤浪投手がいる。
そんな光景が見られることを信じています。