それでも僕は書き続ける!!

1996年生まれの阪神ファン。プロ野球や日々の感情を文章に表す楽しみを感じながら気ままに書きます

しなやかさと強さと小幡竜平【2/5 対紅組◯】

 

しなやかで、力強い。
僕が野球場でタイガースの小幡竜平を初めて見たときの印象だ。あのとき感じた驚きは、今も変わっていない。

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阪神タイガース・小幡竜平

宮崎県・延岡学園高校出身の内野手。2018年のドラフトでタイガースから2位指名を受けた。2000年生まれの高卒4年目で、同世代にはカープの小園海斗やマリーンズの藤原恭大がいる。昨シーズンは代走や守備固めを中心に43試合に出場した。
身長184cmの小幡は内野にいるとなかなかの存在感がある。まだ伸びしろがありそうな少しほっそりとした体格だが、スローイングの強さはチーム随一だ。
細くて長い腕から放たれるボールはまるで光線のよう。三遊間の深いところからの送球や外野手からのカットプレーは「ビューン!!」という音が聞こえてきそうだ。昨年タイガースで臨時コーチを担当した川相昌弘さんも、「タイガースの内野でスローイングが1番すごいのは小幡」と太鼓判を押している。

春季キャンプが始まって最初の実戦となった紅白戦。だが、昨シーズンショートのレギュラーだった中野拓夢はキャンプ前の故障の影響で2軍、セカンドの糸原健斗は前日に新型コロナウイルスの感染が発覚した。二遊間の主力が揃わない状況で、紅白戦の内野スタメンには経験の浅い選手が多数起用された。その中のひとりに小幡がいた。

 

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この日は白組の2番・ショートで起用された小幡。紅組のピッチャーは伊藤将司だ。アウトコースのボールをレフト方向へ鮮やかに弾き返す。落ち着きに定評のある伊藤将だが、小幡はそれ以上に落ち着いているように見えた。小幡は足も速い。あっという間に2塁を陥れた。レフト線に伸びた打球と走る小幡がしなやかだった。

最終回、再び小幡に打席が回ってきた。2点差だが、2アウト満塁。公式戦とはプレッシャーのかかり具合が比べ物にならないとはいえ、ここでも小幡は落ち着いていた。低く伸びていった打球が、前寄りに守っていたセンター・近本光司の頭を超えた。ランナーが全員帰ってきた。小幡の足は速い。ベンチの興奮が最高潮になるのを尻目に、小幡は3塁ベースを蹴った。試合を決める逆転満塁ランニングホームラン。今までの小幡のイメージを覆す強い打球だった。そして何より、絶好のアピール機会でこれ以上ない結果を残した小幡の強さに驚いた。

小幡がホームベース近くで白組のランナーたちと笑顔でタッチを交わした瞬間、「2022年もきっと良い年になるぞ」と思えた。チーム内の競争はいっそう激しくなるだろう。仲間同士で競い合えるチームは、必ず今より強くなれる。しなやかで力強い小幡がシーズンの始まりを告げた。