それでも僕は書き続ける!!

1996年生まれの阪神ファン。プロ野球や日々の感情を文章に表す楽しみを感じながら気ままに書きます

大山悠輔の目に光るもの【10/26対中日戦●】

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ベイスターズを5対1で下したスワローズ。
程なくして、スワローズの選手とファンのための、パプリックビューイングが始まった。
横浜スタジアムのビジョンに3塁を守る真剣な眼差しの大山悠輔が映る。

甲子園でタイガースが敗れたその瞬間、スワローズの優勝が決まる。

タイガースは8回まで無得点。最終回で点差は4点。
糸原健斗、J.マルテが倒れ、この日スタメンだった大山悠輔に打席が回ってきた。
2球目のストレートを引っ掛けた。
大山がいつも欠かさなかった全力疾走。それも及ばず、大山はショートゴロに打ち取られた。

 

試合が終わった。

 

シーズン最終戦なので、試合後には矢野燿大監督のあいさつがある。
皆でグラウンドに整列して一礼した。他の選手の一歩前に出てあいさつするのは、キャプテンの大山だ。大山のおじぎはセリーグで1番きれいだと思っている。

大山の目が潤んでいるように見えた。
一礼して顔を上げた大山の、目の周りが赤くなっているように見えた。
……泣いているのだろうか。


「チームの勝敗は全部自分が背負う」
この言葉に嘘偽りはなかった。
タイガースのキャプテンとして、4番の役割も、勝敗の責任もすべて背負ってきた。
試合が決まる重要な場面。幾度も迎えたチャンスで大山は結果を残した。
得点圏打率は低くても、勝利打点は15あった。

雨の中決めた、神宮の勝ち越し3ランホームラン。
最終回に4点を奪って逆転したサヨナラヒット。
ジャイアンツから首位を奪い返した逆転サヨナラホームラン

それでも、頂点を掴むことはできなかった。
信じて疑わなかった。大山に歓喜の瞬間が訪れることを。
タイガースが優勝の喜びを爆発させ、その輪の中心にキャプテンがいることを。

叶わなかった。

 

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虎の4番。虎のキャプテン。
そのプレッシャーがどれだけのものか、僕は想像することしかできない。
きっと僕が想像しているよりずっと強大で、怖いものなのだろう。

 

悔しいよな。
僕も悔しいよ。

 

143試合目。
タイガースの優勝の可能性が無くなった。

 

ずっと、今もずっと、大山が目を擦る姿が頭を離れないでいる。
次は、笑って涙を流そうな。