【野球コラム】阪神タイガース・原口文仁の言葉に僕は勇気づけられた
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今年の1月24日、そのニュースを聞いて電車の中で僕はこっそり泣いた。
あのときはもう彼のプレーする姿を見られなくなるんじゃないかと思って何も考えられなくなった。今こうして書いているときも、彼への思いが時折あふれそうになって目がウルっとしそうになる。
阪神タイガースの原口文仁が大腸ガンになったことを公表した数日後、いてもたってもいられなくて神宮にあるタイガースストアに行った。お目当ては94番のホームユニフォーム。直接声を届けられない分、球場でこれを着ていこうと思った。もし原口がテレビを見て自分のユニフォームを着ているファンがいたら、きっと励みにしてくれるんじゃないかという思いだった。
自分みたいなひとりのファンに何ができるのか。未だに答えは出ていないけど、あのときはただ夢中で、少しでも彼の力になりたかった。
僕は原口のように強い心と前向きな気持ちはまだまだ持ち合わせていない。だから本人が復帰に向けてがんばっているのに、「もしかしたら、原口が思っているよりずっと長い時間がかかるのかもしれない」「このまま彼はもう帰ってこないんじゃないか・・・」と不安になったこともあった。
「そんなはずないだろ!」って何度も自分を奮い立たせるけども、弱気は何度も顔を出して僕の前に現れた。その度に僕は落ち込んだ。原口はがんばるって言っているのにどうして信じてあげられないだ、という自己嫌悪にも陥った。
そんな僕を再び勇気づけてくれたものがある。
それは原口がTwitterで発信するメッセージだった。
「今日も明るく過ごして、最高の1日にしましょう!」
「”そう思ったらそうなる”前向きにいきます!!」
「今起きてるすべての事が成功への プロセス”と考えれば、 どんな事も乗り越えられる! 僕も頑張ります!!」
原口の投稿はいつも前向きで、彼の人柄がよく現れていた。Twitterのリプ欄には
「原口さんの言葉に元気づけられました!」
「ありがとうございます!」と感謝のコメントが並んだ。
僕も彼のメッセージを読んで、内に抱えていた不安が吹き飛んでいくような感覚になった。日々の中でうまくいかないことがあって悲しい気持ちになっても、原口の言葉を見て「よし。もう1度がんばろう」って気になれた。
ガンと闘って不安で不安で仕方ないのかもしれないのに、阪神ファンの僕が元気を与えなきゃいけないのに、気づけばこっちが勇気をもらっていた。本当に、なんて強い男なのだろう。
原口の言葉を見て元気をもらった僕はひとつ決意した。
原口は絶対にグラウンドに帰ってくる。
だからそのときが来たら、今までで1番のエールを送るんだ。たくさん勇気づけてくれた原口の背中を、今度は僕たちが押してやるんだ。
▲筆者がいてもたってもいられなくなって購入したユニフォーム
今日からセ・パ交流戦だ。そしてついに今日、原口が1軍に帰ってくる。
「本当に信ずればそうなるのであり、必ず信じた通りにさせるのである」
原口がガンと戦うことを決意したとき、スマホの待ち受けに設定した言葉だ。必ずグラウンドに帰ってくることを信じて毎日努力した結果、彼は今日、1軍の舞台に戻ってきた。矢野監督が、コーチたちが、選手のみんなが待っている1軍に、原口が帰ってくる。
戻ってきてくれてありがとうという感謝、1番つらかったときに下を向いている姿を見せずにみんなでがんばろうってメッセージを発信してくれたことへの感謝、病気を公表して周りの人の希望になると決意してくれたことの感謝・・・書いても書いても書ききれない。
僕は今日、たくさんの感謝を声援に乗せる。原口が自分の言葉でファンを元気づけてくれたように。
さあ、ZOZOマリンにたくさんの歓声と拍手を響かせようぜ。今度は僕たちの番だ。
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