【プロ野球】過去にトレードされた外国人選手を調べてみた
9月21日、東北楽天ゴールデンイーグルスが広島のDJ・ジョンソンを獲得したという
発表がありました。楽天は今年に入って3度目のトレード成立です。
【D.J.ジョンソン選手 金銭トレードに関して】
— 東北楽天ゴールデンイーグルス (@Rakuten__Eagles) 2020年9月21日
金銭トレードにて、広島東洋カープからD.J.ジョンソン選手を獲得することに合意いたしましたので、お知らせいたします。
なお、D.J.ジョンソン選手の背番号は「42」です。https://t.co/m62XjRMTHg#RakutenEagles pic.twitter.com/vRhEtG6lTH
楽天はシーズン初めに外国人枠の関係でZ・ウィーラーをトレードで放出しています。当時はリリーフが充実していて、なおかつ外国人枠をめいっぱい使用していた背景からこのトレードが実現しました。
しかし、守護神・森原康平の2軍落ちなどブルペン陣の誤算が相次ぎ、さらにJ・ブラッシュやJ・T・シャギワら外国人選手の不振で外国人枠を有効活用できていないなど、シーズン序盤とチーム事情が変わってしまいました。そんなこともあって、今回のトレードが行われたものだと思われます。
広島のDJはセットアッパーを務めていましたが、不安定な投球が続き8月11日を最後に1軍での登板がありませんでした。これまでの成績は14試合登板、防御率4.61です。
(先発投手のK・ジョンソンではありません)
金銭トレードのため広島は選手を獲得できませんが、DJの分の選手枠が1つ空くので、現在育成契約の選手を支配下登録できるようになりました。今後の動きに注目ですね。ちなみにDJは今シーズンから広島に加わった投手なので、来日1年目での移籍になります。
ところで、外国人選手が対象になるトレードはそう多くありません。理由は定かではありませんが日本人選手と比べて年俸が高めなこと、獲得しても自軍の外国人枠が余っていなければ試合に出せない、などの理由が考えられます。
過去のNPBで、外国人選手がトレードに出されたケースは他にもあるのでしょうか。
2020年から2000年までを対象に調べてみました。
- 2020年 巨人・池田駿⇔東北楽天・ウィーラー
- 2019年 中日・モヤ⇔オリックス・金銭
- 2017年 巨人・クルーズ⇔東北楽天・金銭
- 2017年 日ハム・エスコバー⇔横浜DeNA・黒羽根利規
- 2012年 巨人・ロメロ⇔福岡ソフトバンク・久米勇紀
- 2011年 巨人・オビスポ⇔日本ハム・須永英輝、紺田敏正
- 2002年 阪神・エバンス⇔西武・橋本 武広
2020年 巨人・池田駿⇔東北楽天・ウィーラー
ウィーラーは楽天で6年目のシーズンを迎えており、ファンの衝撃も大きい移籍でした。シーズン30本塁打を記録したこともあるなど、トレードで放出される選手の中では大物に分類されるでしょう。現在は両者共に1軍に在籍しており、戦力として機能しています。
2019年 中日・モヤ⇔オリックス・金銭
当時の中日は野手助っ人にD・ビシエドをはじめ、4つの外国人枠を全て活用していました。モヤは来日2年目でしたが出場機会が限られていました。中日で出場機会に恵まれず、結果金銭で移籍した過去の外国人となると、あのR・ブライアントを思い出すファンもいて、移籍報道があった際は大いに期待されましたが、ここまではまずまずの成績。先日1軍に昇格しましたが、どうでしょうか。
ちなみに同日、中日松井雅人・松井佑介とオリックス松葉貴大・武田健吾のトレードも実施されており、大きな話題を呼びました。
2017年 巨人・クルーズ⇔東北楽天・金銭
首位争いをしていた楽天と、クルーズを持て余していた巨人とのトレードです。クルーズは移籍してさっそくお立ち台に上がる活躍を見せましたが、その後目立つことはなく、この年限りでチームをさりました。
ところで、クルーズはその後インスタで「ジャイアンツ!?それはノーサンキューだぜ!」という内容の投稿をしています。よっぽどフラストレーションがたまっていたのでしょうね……。
2017年 日ハム・エスコバー⇔横浜DeNA・黒羽根利規
外国人選手のトレードと聞いて、このトレードを思い出す人も多いかもしれません。
エスコバーもDJ同様、来日1年目での移籍となりました。エスコバーは先発要員でしたが、制球が定まらず2軍落ちもあって14試合の登板のみとなっていました。
その後の活躍は知るとおりで、今や横浜に欠かせない豪腕セットアッパーです。大成功の補強と言えるでしょう。
2012年 巨人・ロメロ⇔福岡ソフトバンク・久米勇紀
ロメロは育成契約で巨人に入団した長身の右腕投手です。支配下登録されたあとはチーム事情もあって一時は巨人のクローザーを務めました。しかし移籍先のソフトバンクでは全く良さが出せず、わずか3試合の登板の末に退団しています。
なおこのトレードは2対2同士の移籍でして、立岡宗一郎が巨人に移籍したトレードでもあります。
2011年 巨人・オビスポ⇔日本ハム・須永英輝、紺田敏正
巨人は2年連続で外国人選手をトレードで放出しています。オビスポは育成選手出身で初めてプロ1勝を挙げました。初勝利を挙げたこの年に同じく育成初の完投勝利を記録、リーグ優勝を決めた試合で先発し勝利投手になっています。ファンからはオビちゃんの愛称で親しまれました。
ですが移籍先では全く活躍できず、1年でチームを去っています。
2002年 阪神・エバンス⇔西武・橋本 武広
打撃成績ではさっぱりでしたが、守備の安定感と真面目な練習態度で一定の評価を得て残留したエバンス。2年目のシーズンは外国人枠の関係で全く出番がありませんでした。
西武はA・カブレラに次ぐ第2の外国人、S・マクレーンが怪我で離脱したこともあり、代わりを探していた中でのトレードとなりました。エバンスは78試合で打率.252、ホームラン15本、OPS.882と途中獲得助っ人としてはかなり優秀な成績を残しました。ですがカブレラ、マクレーンの壁は厚く、オフに退団しています。
2000年からの20年間で、外国人選手が絡んだトレードは9件成立していました。そのうち5件が5年前と比較的最近のものです。昔はトレードされること自体が稀だったといえるでしょう。
この中で最も成功したトレードはエスコバーを獲得した横浜ですね。外国人選手に限らず、環境を変えて大化けする例は珍しくありません。DJ・ジョンソンはどうでしょうか。
そうそう。広島はこんなグッズを販売していますが、
ひょっとするとDJの退団に伴い販売を終了するかも。気になる方はお早めに。