【阪神】6.6 ZOZOマリン観戦記
おかえりなさい!!
原口に次いでまたひとり、頼もしい選手が阪神に帰ってきました。
小野です。この日がシーズン初登板でした。しかも、プロ初の中継ぎで。5回まで投げた先発の高橋遙からバトンを受け取り、2回を無失点に抑えました。
中継ぎ要因として昇格
昨シーズンは先発として7勝をあげ、さらなる飛躍が期待された今年の小野ですが、右肘の状態が思わしくなくここまで2軍調整を続けていました。
実戦で投げられるようになってからは、2軍で先発の機会を与えられ、少しずつ1軍復帰への道のりを歩んできました。そして待ちわびた1軍昇格の知らせ。
でも先発として、ではなく中継ぎ要員としての昇格でした。
「まあ今年初の昇格だし、最初はそんな重要な場面で投げないよなあ」。
過去2年間で中継ぎをやったことがない小野がリリーフとして呼ばれた。一般論で考えれば「ああ、ロングリリーフかな」と思うでしょう。実際僕もそう思っていました。
ロングリリーフが必要な場面というのは、すでに試合が決していることが多いです。他のピッチャーを使わないで試合を終える役目もあります。
小野もそういう役割を期待されて1軍に呼ばれたと思っていました。
でも矢野監督はそのように考えていませんでした。小野が今年初のマウンドに上がったのは6回、1点リードしている場面。この試合においてとっても大事なシチュエーションで、小野は出てきました。もはやセットアッパーじゃん!
セットアッパー・小野
現地にいた僕は驚きました。まさかこの場面で小野が出てくるとは思わなかったから。でもすぐに気づきました。「ベンチは小野の持っている力を信頼している。だからこの重要な場面で起用したんだ」と。
何度も言いますが、昇格したばかりの元先発投手が1点リードの中盤以降に投げることって、滅多にありません。勝ちパターンのリリーフが固まっているチームならなおさらです。
そもそも、小野は1軍でリリーフすらやったことありません。1点差のしびれる場面、しかも今シーズン初登板、緊張しないはずがありません。ブルペンでの準備中、おそらくとっても緊張していたであろう小野。そんな彼の前に現れたのは、なんと矢野監督でした。
「結果を気にしなくていいからな。全力で投げてこい」
出番が近づくにつれて緊張も高ぶっていたでしょう。そんなときやってきた矢野監督からこんなことを言われたら、がんばるしかないじゃないですか。
「緊張していたのが和らぎました」
これで肩の荷がおりた小野は6回を3者凡退。7回は一打逆転のピンチを招きましたが、これもしっかり抑えてプロ初のホールドを記録しました。
1点差という厳しい場面で2イニングも投げてくれた。しかも、今までリリーフをやってこなかった小野が。これはとってもすごいことです。
選手を信じて送り出す矢野監督と、その信頼に応えたくて一心不乱に腕を振った小野。彼らの強い絆を感じられた試合でした。
▲10回表に決勝打を打った糸井がヒーローでした