それでも僕は書き続ける!!

1996年生まれの阪神ファン。プロ野球や日々の感情を文章に表す楽しみを感じながら気ままに書きます

これもラミレスマジック!?スポナビ速報が止まってしまった訳

6月9日の横浜スタジアムで行われた巨人対横浜DeNAの練習試合で、ちょっとしたハプニングが起こりました。

 


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巨人対DeNAは想定外の事象が発生したため速報を中止しました。

 

阪神ファンの僕的にはその下のエドワーズ5者連続四球の方が”想定外の事象”なのですが。

野球ファンにはおなじみスポナビの野球速報アプリが、突如試合速報を中止してしまったのです。長らくこのアプリを愛用していますが、こんなことが起こったのは記憶にないです。

ちなみに今アプリを開いても巨人DeNAの試合欄がないので詳細を見られなくなっています。

 

あまりにも珍しくて驚いたので、速報のスクリーンショットを残しておきました。見てみましょう。


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速報が中止されたのは5回裏が終了したときです。

この回、ベイスターズは先発投手・濱口遥大に代打・楠本泰史を送っています。

 

(投)濱口 → PH楠本

楠本はサードフライに倒れました。

3アウトで攻守交代となるこのタイミングで、ラミレス監督は選手の交代を告げます。

 

「ピッチャー伊勢。楠本の守備位置はDH」

 

この日の練習試合はセ・リーグ同士の試合ですが、オープン戦と同様にDH制を採用していました。しかしベイスターズはこれを使用せず、スタメンの9番には先発の濱口が入っていました。セ・リーグのチームがオープン戦でDHを使わない例は実際にあって、ペナントレースの試合を想定した打順をやってみたいときなどに行われます。

 

で、ラミレス監督は濱口を交代した後、9番に投手を入れるのではなく代打した楠本をそのままDHに入れました。

 

実はこれ、現行のルールではできないんです。

野球の公式ルールである公認野球規則の「指名打者」には、こう書いてあります。

 

(3) チームは必ずしも投手に代わる指名打者を指名しなくてもよいが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない。

5.11 指名打者 | Baseball Rules

ベイスターズは試合前に指名打者を使わないことをスタメン決定の時点で宣言しているので、このルールに該当するのです。試合中にDHを復活させることはできないのです。

ただ今日の試合は公式記録も残らない練習試合。こういう練習試合ってお互いの監督が了承すれば、本来適用されないルールが採用されることもあります。

例えば9回裏の攻撃。本来だったら後攻チームがリードしている場合は9回表の攻撃が終わった時点でゲームセットです。

でも先攻チームは9裏に登板させたい投手がいる、後攻チームも少しでも多く打席が欲しいということで、今の練習試合では勝敗には関係のない9回裏の攻撃が行われています。

今回の”DH復活”もラミレス監督、原監督の了承のもと特別ルールが採用されたのでしょう。

 

さてこれで困ったのは速報アプリを運営している人たちです。本来こんな選手交代は有り得ないわけですから、対応しているはずもありません。

おそらくシステム的に代打→DHの選手交代を記録として登録できなかったのでしょう。

スポナビも泣く泣くこの先の速報を断念せざるを得なかったのだと考えます。

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それにしてもラミレスマジック恐るべし……

 

 

指名打者についてもう少し。

 

DHはdesignated hitter の略称です。直訳すると”指名された打者”になります。

 

ちなみにDHは試合途中で復活させることはできませんが、試合途中で解除することは可能であるとルールで定められています。

なのでDHで先発出場していた選手が試合途中から守備につくこともできます。その場合、投手が打順に組み込まれることになります。

DHが解除された有名な例は、北海道日本ハムファイターズ大谷翔平が165キロを出した試合でしょうか。

2016年クライマックスシリーズ日本ハム福岡ソフトバンクホークスとの試合で大谷は3番・指名打者で先発出場。ヒットも1本打っています。

3点をリードし、この回を抑えたら日本シリーズ進出が決まるというしびれる場面で、大谷はマウンドに上がりました。

 

youtu.be

 

ファイターズ、選手の交代をお知らせします。指名打者・大谷がピッチャー。

コールの後の盛り上がり、すごいですね。

 

youtu.be

 この日、大谷は自己最速の165キロを記録しました。

二刀流の大谷の良さをフルに生かした采配といえるでしょう。

 

他には別のポジションで負傷者が出てしまったためDHを解除せざるを得なかったケースもあります。

昨年の埼玉西武ライオンズ。シーズン中の疲労を考慮して正捕手の森友哉はDH。控え捕手の岡田雅利が捕手でスタメン出場しました。

しかし試合途中で岡田はクロスプレーで負傷してしまいます。この日西武はベンチに捕手を登録していなかったため、岡田の代わりに捕手ができる選手がいません。そこでDHを解除し森をキャッチャーにすることで、このアクシデントを乗り切りました。

www.nishinippon.co.jp

 

DHって細かいルールがあって、実はけっこう複雑だったりします。マンガやアニメで取り上げられる高校野球にはDH制が採用されていないこともあって、野球をそこそこ知らないとDHって???ってなりますし。

それでもある無しで戦略や編成が大きく関わってくるDH。今日の練習試合でまた1つそのおもしろさを感じられた気がします。