ベイスターズ・今永昇太の契約更改会見が神対応だからみんな見ろ
各チーム、契約更改が続々と進んでいる。年末も近づいてきたということで、残り選手は少なくなってきたが、チームの顔と呼ばれる選手や今年ブレイクした選手の契約は残されている。
先日、横浜DeNAベイスターズの今永昇太が契約更改を終え、オンラインで会見を行ったのだが、この内容が神であった。すごかった。今日はそのことについて紹介したい。
記者会見の内容を見る前に、今シーズンの今永について簡単に振り返っておこう。
2年連続の開幕投手に選ばれた今永は9試合に先発。これはプロ入り後最小の数字だ。開幕から先発ローテーションを守り続け、防御率3.23を記録していたが、10月に左肩を手術した。この影響からか、年俸は前年から3600万円減の1億円でサインしている。
コロナ禍で各チーム厳しめの査定となっている所も多いが、今永も例外ではないようだ。1年間ローテーションを守れなかった上に、厳しい減俸。もしかしたら心中穏やかではなかったかもしれない。
これらのことを踏まえて、今永の会見ですごかったポイントを2つ挙げさせてもらう。
今永のすごいポイント1:いかなる状況でも感謝の気持ちを忘れない
昨年と比べて25%近い減俸となった今永。不本意な成績だったとはいえ、厳しい契約更改だったことには違いない。悔しさやふがいなさから、多少ふてくされた会見になっても不思議じゃないだろう。だが今永は違う。
「まず、僕の方から言わせていただきたいことがあります。このコロナで難しい状況の中、報道規制や球場に取材に来られずオンラインを活用していただき、僕らの声を発信していただきありがとうございました。報道各社様の力がなければ、僕らの声を世の中に発信することはできず、また世の中の声を知ることもできなかったので、皆さまのご協力があって僕らがある。本当にありがとうございました」
は~~~~最初にこんなこと言えるっていったいどんな教育をーーーー???
すべての人において未経験のことが起こった2020年。それはもちろん報道陣にとっても例外ではない。ファンはそのすべての様子を伺うことはできなかったが、相当な工夫と苦労があったに違いない。その姿を今永も見ていたのだろう。
みなさん改めて言うことでもないが、来年の給料を3600万カットされた男のコメントである。
そしてこれに留まらない。
「僕の方からはまず金額の話をする前に、今年一年間、選手とその家族を守っていただいてありがとうございましたと伝えさせていただきました」
気配りがやばみ~~~~~(語彙力)
「守っていただいた」というのは、コロナの影響で球団経営も厳しい状況で、選手の雇用を守ってくれたこと、感染対策に尽力してくれたことへの感謝を表したものだろう。にしてもチームのリーダー格としての自覚がないと、こんなコメントはできない。そして心の内で思っているだけではなく、契約更改の場と記者会見で話したことに強い意味がある。記者会見で話したことで、今年1年奔走した球団関係者の耳にも届いたはずだ。
今永のすごいポイント2:ファンの不安を自分の言葉でやわらげる
前述した通り、今永は肩の手術をした。肘ならまだしも、肩のケガは選手生命に大きく関わってくる。斉藤和巳、由規、伊藤智仁……彼らはいずれも肩のケガを発症した投手たちだ。誰もがうらやむボールを投げていたが、その投球が戻ってくることはなかった。
当時の発表は「左肩のクリーニング手術」。
ちなみに、阪神タイガースの横山雄哉も2年前に同じく「肩のクリーニング手術」をおこなっている。手術後は育成契約を結び、今年シーズン途中に支配下に復帰したが、かつての球威は戻らず現役を引退した。
肩にメスを入れることはかなりのリスクを伴う行為でもある。今永の手術報道を知ったファンの中には、不安に思った人も多かったのではないだろうか。
そんなファンの心配を察したのか、今永が会見で発した言葉がこちら。
「僕のオペは腱板とか関節唇はものすごくきれいで、関節外の小さな骨を角がないように削っただけ。なので、かなり回復も早い。(中略) 肩のオペというカテゴリーだけでみると、ものすごく重苦しいようなものですごく悩んだんですけど、復帰はほとんど100%という僕の中で確信があったので、早めにやろうと思った」
今永さん一生付いていきますわ~~~~(またしても語彙力)
ここまで自分の言葉で手術内容をていねいに説明する選手、他にいただろうか?いたとしても館山昌平くらいだろう。手術の具体的な箇所が聞けて、安堵したファンもいるのではないだろうか。
僕はベイスターズファンではないが、彼が横浜ファンに愛される理由が分かった気がした。
プレーヤーとしてもすばらしい能力を持ちチームを牽引するのはもちろん、人としても素晴らしく、尊敬できる点が、多くのファンを惹きつけるのだろう。
(今永のコメントは以下記事から引用)